アニメキャプチャ画像の使用と著作権近辺について
ブログ等でアニメの感想を画像付きで紹介したいと思う事も多いと思いますが、
いざ画像を利用する場合にはその著作権についてよく理解しておく必要があります。
画像といっても公式サイトやファンアートとしてのイラスト等いろいろありますが、 今回はその中でアニメの「キャプチャ画像」を例にしてみていきます。
今回はアニメの「キャプチャ画像」と使い方を限定していますが、 アニメやキャプチャ画像に限らず多くの分野・使い方で著作権に関する基本となる考え方と同じです。
著作権については昔から現在に至るまで色々な方が考察してまとめたりしてくれていますので、 細かい事や正確な判断基準には拘らず、個人的な解釈を踏まえつつざっくりとなるべく簡潔になるように噛み砕いて説明します。
(kato19様より貴重なご意見をいただき、大幅に加筆修正させていただきました ※ 2017.1.22)
アニメに関連するイラストやWebサイト・PVや本編動画(キャプチャ含む)までそのほぼ全てに対して著作権が存在しています。
そのため、とても古い作品・著作者が許可している作品以外、 アニメに関してではWebサイトのキービジュアルやイラストはもちろん、キャプチャ画像についても利用する場合は適切に扱う必要があります。
例外的に既に著作権の保護期間が切れた古い作品(鳥獣人物戯画など)は自由に利用することができます。
(国によっても違いますが個人であれば著作者の死後50年、法人等であれば公表後から50~70年までが保護期間 ※ ただし場合により保護期間が異なるため正しい調査が必要です)
ただし、著作権が切れているからといって何でも自由にできるとは限りませんのでご注意ください
(誰かの手が加わったもの → 二次的に著作権が発生、著作者が生存 → 著作人格権は有効)
次の1~3は作品を利用する場合の一例ですので参考にしてください。
1. 「私的使用」での利用かどうかを確認
→ 私的使用であれば基本的に自由に利用できるのでこれ以上調べる必要はない
2. 著作権が存在しているかどうかを確認
古い作品の場合は著作権の保護期間が過ぎている、消滅している可能性がある。
公式(サイト等)がある場合は利用規約等を確認する(条件次第で画像を利用できる場合もある)
3. 私的使用ではなく、かつ利用規約で許可されていないので「引用」する
作品を利用する場合はまず最初に著作権が存在しているかどうかを確認し 私的使用であれば基本的には何も気にする必要はないですが、 そうでない場合は「引用」である必要があります。
著作物を利用する場合にまず1つの大きなポイントとなるのが「私的使用」の範囲に留まるかどうかという点があります。
私的使用であれば気を付けなければいけないことが非常に少なくなります。
言い換えると私的使用の範囲から逸脱する場合は扱いに注意が必要という事になります。
・ 私的使用(私的利用)って何?
著作物は著作権法上の個人的、もしくは家庭内において著作物を自由に複製することができる自由が認められているため、 私的使用の範囲で利用することができます。
大雑把に説明すると、家族以外の第三者の目に触れることがない使い方となります。
デジタル上(スマホ・インターネット)では第三者がアクセスできる状態は私的使用ではなくなるので気を付けなければいけません。
※ Line、Twitterなどで非公開設定にしていてもNGと考えます
しかしながら、どこまでが「私的使用」の範囲に含まれるのかまでは明確に定められてはいないので、 厳しく考えると第三者の目が触れる可能性がある外出での利用もNGとなってしまいます。
ここでは何が私的使用となるのかを簡単に例を挙げてみます。
※ ↓の分類は私の解釈(厳しめ)での線引きのため、実際には判定が異なる可能性があります事ご了承ください
〇 私的使用の範囲に入る
・ 気に入ったイラストをダウンロードしてスマホ(PC)の壁紙に設定する
・ アニメ等をキャプチャして画像を保存する(自分観賞用)
・ 好きなイラストを【自分の】コピー機を使って印刷して壁に貼る(ネットプリントはNGなので要注意)
⇔ 不要になったものを友達にあげる・売るなどするのは複製権侵害とみなされる可能性があるため基本NGと考えます
・ 家族に気に入ったイラストを加工した画像を送信
・ (特例)公式が特定条件の下でブログ・SNS等での利用を許可しているアニメの画像を使って記事を投稿する
※ アニメ等については特定条件下であればブログ・SNSでの利用が認められているケースがあります
・ 私的使用で溢れている部屋に友達を呼んで遊ぶ
⇔ 貸し出したら複製権侵害とみなされる可能性がありリスクがあるのでNGと考えます
〇 私的使用ではない ・ 友人(特定少数)とのやり取りで画像等を送信する(家族ではないので私的使用ではなくなる)
・ 個人的に印刷した画像(著作物)をプリントしたもの(服・シール等のグッズも含む)を持って外出する
※ 問題になることはあまりなさそうですが、場合により問題になる可能性もあるのでNGとして考えます
・ アニメのキャプチャ・イラストなどのグッズを業者で印刷・作成する
⇔ グッズを作成する機材がすべて自分のもので、私的使用の範囲での利用であればグッズ作成も問題ありません
・ 好きなアニメキャラをTwitter等のアイコンに設定する(※ 公式から許可が出ているアイコンであれば利用可能)
※ 現状でも多くの人が行っている上に問題になることも皆無ですが著作権侵害となります
私的使用を考えると厳密にはとても狭い範囲になってしまうため 現実的にはどこまで大丈夫かを考えると線引きはとても難しくなってしまうのですが、 ブログやSNSで感想を書く等純粋な利用においては、アニメ業界では慣習として許可されている版権や黙認されることが多いので、 版権元のサイトに規約が書かれていないか確認してみるとよいかもしれません。
規約が書かれていない場合は許可はされていないことになってしまいますが、 広義の意味での私的利用(アフィリエイトや商売目的でない)で、 公序良俗に反せず批判的な内容を含んでいなければまず大丈夫なので、 キャプチャ画像を使ったアニメの感想や批評は後述する「引用」からは多少外れてしまっても問題はないと思います。
つまり、前述した「私的使用」や許可された範囲外の場合に”引用”以外で使用することは著作権を侵害する事になります。
※ コラム:「著作権侵害」は著作権を侵害する行為そのものを指し、 訴訟等に発展すると著作権法違反となり民事・刑事裁判などで罰則を受けることがあります
しかしながら「引用」であれば権利者の許可は不要で、営利目的にも利用することができます。
※ ロゴ等の商標や特許の引用についてはより注意が必要なのでよく調査・確認してから引用してください
では「引用」とは何でしょうか?
やや強引に簡潔にまとめると、”「引用」とは、メインコンテンツは自身で創作(執筆)したもので、著作物をその「参考」としてだけ利用すること”となります。
〇 より具体的な注意ポイント
・ 自身のコンテンツ(アニメの感想・批評など)がテーマである
・ 引用物は既に公表されている (発売前等の未公開のものはNG)
・ 引用であることを明確に分かるようにする
・ 引用元を明記する
・ 引用を行う必然性がある(自身のコンテンツと関係のない画像は当然NG)
・ 主従関係が明確で引用物は量も含めて補助的で利用するにとどめている
・ 引用する素材(画像等)は加工しない(サイズ縮小だけは可)
引用についてより詳しく知りたい方は、kato_19さんのブログ
「アニメとスピーカーと‥‥。」で 非常に詳しくかつ分かりやすくまとめられていましたのでご参考ください。
アニメブログの画像引用で違法と言われない著作権法のポイント
(参考としてただリンクを貼る場合は許可も不要(引用にも当たらない))
以下は著作権法第三十二条の全文となります。
〇 著作権法 第三十二条 を引用してみた例
原文は上記の通りとなっていますが、なかなか読んですぐに分かるという内容ではありません。
この"引用"の線引きがとても難しく、 ちょっと使い方を間違えるとアウト(異議申し立て等)になってしまうため、 著作物を引用する際には押さえておきたいポイントになります。
より感覚を掴むために、具体的にアニメのキャプチャを例に内容を掘り下げてみていきます。
ここでは厳密な線引きについては考えず、 画像キャプチャの安全と思われる使い方を分かりやすくまとめてみます。
1. 地上波TVで既に放送されたアニメである事
OVA、DVD、映画(劇場での放映・販売)、有料チャンネル等でのみ放送された作品についは、 著作権とは著作権者の意向の影響が大きい事も考え引用しない方が無難です。
雑誌や放送済みの作品であれば写真、動画のキャプチャでも"引用"することができます。
2. 内容が酷くない事
これは人によって捉え方がまちまちになりますが、引用するシーンや記述する内容について、 「社会的、公序良俗等の観点で誰が見ても問題がないように」してください。
引用元のイメージを損なうような利用についてもご注意ください
ある面で厳しいところもあるので、1つでも何か問題がありそうな要素を含んだシーンは避けるのが無難です。
(煙草を吸うシーン、水着など露出や表現が際どいシーン、キャラクターや作品のイメージを損なうようなシーンからの引用)
3. 引用が必要となる"必然性"がある事
アニメの内容の紹介や、見どころのシーンのキャプチャ画像を沢山貼って使うのは引用の範囲を逸脱しているため殆どが引用ではないため著作権侵害となります。
引用とは、あくまで自分の創作(感想・批評)の表現に対し、 それを捕捉として作品を参照・紹介している必要があります。
感想・批評とは関係のない画像をキャプチャして公開する事は引用に当たらず著作権の侵害となります
(「主」「従」がはっきりしており、引用が「従」にあたらなければなりません)
画像については上記を注意すればよいのですが、文章の内容にも注意が必要になります。
小説や映画などの批評にも関連してくる事が多いのですが、 「あらすじ」、「ダイジェスト」はその範囲にもよりますが話のまとめを紹介する事は避けましょう。
線引きは難しいですが内容をまとめる事は要約・翻案に当たる可能性があり、著作者の許可が必要なことなので、 感想・批評を書く際には必要な部分だけの内容を説明するにとどめるようにしましょう。
長々と書いてきましたが上述してきたような細かな部分は、SNS等での個人的な活動においてはせいぜい削除を求められる程度で済むと思いますが、 著作権に厳しい企業や団体もありますので、 アフィリエイトを含む商業目的の場合には特に注意してください。
しかしながら明らかに著作権侵害に当たるような利用をしていても、 一緒にアニメを盛り上げて歓迎してくれる場合もあり、 この場合は問題にはならなかったりするので、 やはり著作者・制作側が歓迎してくれる使い方かどうかという要素は非常に大きいポイントです。
少し脱線して、Twitterでの埋め込み利用について考えてみます。
Twitterでは利用規約によって埋め込み利用が許可されています。
参考
Twitter サービス利用規約
そのため、Twitterが許可した方法で埋め込みを行うことは全く問題はありません。
が…、Twitterに著作権侵害して画像を投稿するユーザはとても多く存在しています。
ツイートを埋め込んだだけでは責任に問われることはないと思われますが、 埋め込むTweetが明らかに著作権侵害である場合、そのツイートを埋め込む事を可とするか、不可とするかは難しい問題のように思います。
(現状では特に問題になったケースは見たことがありませんが、グレーなので控えることをお勧めします)
また、Twitterのユーザが、自分のツイートも自由に埋め込みを許可されているという事を知らない事も多いので、 勝手に個人ブログ等で埋め込まれたりする事に対し個人間でトラブルに発展なる可能性もありますのでご注意ください。
色々と調べたおかげで大分クリアになりましたので安全な使い方をまとめてみると、
1. アニメの感想・批評で引用に使う分だけをキャプチャ画像として利用する
2. 内容のまとめに関する内容の記載が必要な場合は、感想・批評に必要な部分だけのまとめを記述する事を意識して使うようにするのが良いでしょう。
そして、 できれば作品のイメージアップになるような感想や、著作者、制作者が喜ぶ使い方をするように心がけるとバッチリです。
個人的な判断の部分も多く含んでしまっているので、間違っている所や捕捉などありましたらご指摘頂けると幸いです。
最後に、更新が遅くなってしまいましたがkato19様には貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。
アニメ等のキャラクターを描いたりする二次的著作物についての扱いについてまとめましたので、よろしければこちらもご一読ください。
二次的著作物(二次創作)における著作権等の扱いについて
Youtubeやニコニコ動画の埋め込み利用についての著作権(等)についても調べてみましたので興味がありましたらご参考にしてください。
Youtubeやニコニコ動画の埋め込み利用における著作権等の扱いについて
歌ってみた、演奏してみた動画を投稿する前に気を付けるべき著作権と楽曲利用の方法について
画像といっても公式サイトやファンアートとしてのイラスト等いろいろありますが、 今回はその中でアニメの「キャプチャ画像」を例にしてみていきます。
今回はアニメの「キャプチャ画像」と使い方を限定していますが、 アニメやキャプチャ画像に限らず多くの分野・使い方で著作権に関する基本となる考え方と同じです。
著作権については昔から現在に至るまで色々な方が考察してまとめたりしてくれていますので、 細かい事や正確な判断基準には拘らず、個人的な解釈を踏まえつつざっくりとなるべく簡潔になるように噛み砕いて説明します。
(kato19様より貴重なご意見をいただき、大幅に加筆修正させていただきました ※ 2017.1.22)
〇 著作物の扱いについて
アニメに関連するイラストやWebサイト・PVや本編動画(キャプチャ含む)までそのほぼ全てに対して著作権が存在しています。
そのため、とても古い作品・著作者が許可している作品以外、 アニメに関してではWebサイトのキービジュアルやイラストはもちろん、キャプチャ画像についても利用する場合は適切に扱う必要があります。
例外的に既に著作権の保護期間が切れた古い作品(鳥獣人物戯画など)は自由に利用することができます。
(国によっても違いますが個人であれば著作者の死後50年、法人等であれば公表後から50~70年までが保護期間 ※ ただし場合により保護期間が異なるため正しい調査が必要です)
ただし、著作権が切れているからといって何でも自由にできるとは限りませんのでご注意ください
(誰かの手が加わったもの → 二次的に著作権が発生、著作者が生存 → 著作人格権は有効)
次の1~3は作品を利用する場合の一例ですので参考にしてください。
1. 「私的使用」での利用かどうかを確認
→ 私的使用であれば基本的に自由に利用できるのでこれ以上調べる必要はない
2. 著作権が存在しているかどうかを確認
古い作品の場合は著作権の保護期間が過ぎている、消滅している可能性がある。
公式(サイト等)がある場合は利用規約等を確認する(条件次第で画像を利用できる場合もある)
3. 私的使用ではなく、かつ利用規約で許可されていないので「引用」する
作品を利用する場合はまず最初に著作権が存在しているかどうかを確認し 私的使用であれば基本的には何も気にする必要はないですが、 そうでない場合は「引用」である必要があります。
〇 私的使用(私的利用)かどうか
著作物を利用する場合にまず1つの大きなポイントとなるのが「私的使用」の範囲に留まるかどうかという点があります。
私的使用であれば気を付けなければいけないことが非常に少なくなります。
言い換えると私的使用の範囲から逸脱する場合は扱いに注意が必要という事になります。
・ 私的使用(私的利用)って何?
著作物は著作権法上の個人的、もしくは家庭内において著作物を自由に複製することができる自由が認められているため、 私的使用の範囲で利用することができます。
大雑把に説明すると、家族以外の第三者の目に触れることがない使い方となります。
デジタル上(スマホ・インターネット)では第三者がアクセスできる状態は私的使用ではなくなるので気を付けなければいけません。
※ Line、Twitterなどで非公開設定にしていてもNGと考えます
しかしながら、どこまでが「私的使用」の範囲に含まれるのかまでは明確に定められてはいないので、 厳しく考えると第三者の目が触れる可能性がある外出での利用もNGとなってしまいます。
ここでは何が私的使用となるのかを簡単に例を挙げてみます。
※ ↓の分類は私の解釈(厳しめ)での線引きのため、実際には判定が異なる可能性があります事ご了承ください
〇 私的使用の範囲に入る
・ 気に入ったイラストをダウンロードしてスマホ(PC)の壁紙に設定する
・ アニメ等をキャプチャして画像を保存する(自分観賞用)
・ 好きなイラストを【自分の】コピー機を使って印刷して壁に貼る(ネットプリントはNGなので要注意)
⇔ 不要になったものを友達にあげる・売るなどするのは複製権侵害とみなされる可能性があるため基本NGと考えます
・ 家族に気に入ったイラストを加工した画像を送信
・ (特例)公式が特定条件の下でブログ・SNS等での利用を許可しているアニメの画像を使って記事を投稿する
※ アニメ等については特定条件下であればブログ・SNSでの利用が認められているケースがあります
・ 私的使用で溢れている部屋に友達を呼んで遊ぶ
⇔ 貸し出したら複製権侵害とみなされる可能性がありリスクがあるのでNGと考えます
〇 私的使用ではない ・ 友人(特定少数)とのやり取りで画像等を送信する(家族ではないので私的使用ではなくなる)
・ 個人的に印刷した画像(著作物)をプリントしたもの(服・シール等のグッズも含む)を持って外出する
※ 問題になることはあまりなさそうですが、場合により問題になる可能性もあるのでNGとして考えます
・ アニメのキャプチャ・イラストなどのグッズを業者で印刷・作成する
⇔ グッズを作成する機材がすべて自分のもので、私的使用の範囲での利用であればグッズ作成も問題ありません
・ 好きなアニメキャラをTwitter等のアイコンに設定する(※ 公式から許可が出ているアイコンであれば利用可能)
※ 現状でも多くの人が行っている上に問題になることも皆無ですが著作権侵害となります
私的使用を考えると厳密にはとても狭い範囲になってしまうため 現実的にはどこまで大丈夫かを考えると線引きはとても難しくなってしまうのですが、 ブログやSNSで感想を書く等純粋な利用においては、アニメ業界では慣習として許可されている版権や黙認されることが多いので、 版権元のサイトに規約が書かれていないか確認してみるとよいかもしれません。
規約が書かれていない場合は許可はされていないことになってしまいますが、 広義の意味での私的利用(アフィリエイトや商売目的でない)で、 公序良俗に反せず批判的な内容を含んでいなければまず大丈夫なので、 キャプチャ画像を使ったアニメの感想や批評は後述する「引用」からは多少外れてしまっても問題はないと思います。
〇 著作物は「引用」でのみ利用可能
公式HPの画像やPV、アニメやキャプチャ画像等ほぼ全てのコンテンツに著作権が存在しているので、 これらは「引用」でしか利用することはできません。つまり、前述した「私的使用」や許可された範囲外の場合に”引用”以外で使用することは著作権を侵害する事になります。
※ コラム:「著作権侵害」は著作権を侵害する行為そのものを指し、 訴訟等に発展すると著作権法違反となり民事・刑事裁判などで罰則を受けることがあります
しかしながら「引用」であれば権利者の許可は不要で、営利目的にも利用することができます。
※ ロゴ等の商標や特許の引用についてはより注意が必要なのでよく調査・確認してから引用してください
では「引用」とは何でしょうか?
やや強引に簡潔にまとめると、”「引用」とは、メインコンテンツは自身で創作(執筆)したもので、著作物をその「参考」としてだけ利用すること”となります。
〇 より具体的な注意ポイント
・ 自身のコンテンツ(アニメの感想・批評など)がテーマである
・ 引用物は既に公表されている (発売前等の未公開のものはNG)
・ 引用であることを明確に分かるようにする
・ 引用元を明記する
・ 引用を行う必然性がある(自身のコンテンツと関係のない画像は当然NG)
・ 主従関係が明確で引用物は量も含めて補助的で利用するにとどめている
・ 引用する素材(画像等)は加工しない(サイズ縮小だけは可)
引用についてより詳しく知りたい方は、kato_19さんのブログ
「アニメとスピーカーと‥‥。」で 非常に詳しくかつ分かりやすくまとめられていましたのでご参考ください。
アニメブログの画像引用で違法と言われない著作権法のポイント
(参考としてただリンクを貼る場合は許可も不要(引用にも当たらない))
以下は著作権法第三十二条の全文となります。
〇 著作権法 第三十二条 を引用してみた例
第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。
この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、 報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、 その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、 説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、 報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、 その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、 説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
原文は上記の通りとなっていますが、なかなか読んですぐに分かるという内容ではありません。
この"引用"の線引きがとても難しく、 ちょっと使い方を間違えるとアウト(異議申し立て等)になってしまうため、 著作物を引用する際には押さえておきたいポイントになります。
より感覚を掴むために、具体的にアニメのキャプチャを例に内容を掘り下げてみていきます。
〇 アニメの画像キャプチャについて
ここでは厳密な線引きについては考えず、 画像キャプチャの安全と思われる使い方を分かりやすくまとめてみます。
1. 地上波TVで既に放送されたアニメである事
OVA、DVD、映画(劇場での放映・販売)、有料チャンネル等でのみ放送された作品についは、 著作権とは著作権者の意向の影響が大きい事も考え引用しない方が無難です。
雑誌や放送済みの作品であれば写真、動画のキャプチャでも"引用"することができます。
2. 内容が酷くない事
これは人によって捉え方がまちまちになりますが、引用するシーンや記述する内容について、 「社会的、公序良俗等の観点で誰が見ても問題がないように」してください。
引用元のイメージを損なうような利用についてもご注意ください
ある面で厳しいところもあるので、1つでも何か問題がありそうな要素を含んだシーンは避けるのが無難です。
(煙草を吸うシーン、水着など露出や表現が際どいシーン、キャラクターや作品のイメージを損なうようなシーンからの引用)
3. 引用が必要となる"必然性"がある事
アニメの内容の紹介や、見どころのシーンのキャプチャ画像を沢山貼って使うのは引用の範囲を逸脱しているため殆どが引用ではないため著作権侵害となります。
引用とは、あくまで自分の創作(感想・批評)の表現に対し、 それを捕捉として作品を参照・紹介している必要があります。
感想・批評とは関係のない画像をキャプチャして公開する事は引用に当たらず著作権の侵害となります
(「主」「従」がはっきりしており、引用が「従」にあたらなければなりません)
画像については上記を注意すればよいのですが、文章の内容にも注意が必要になります。
小説や映画などの批評にも関連してくる事が多いのですが、 「あらすじ」、「ダイジェスト」はその範囲にもよりますが話のまとめを紹介する事は避けましょう。
線引きは難しいですが内容をまとめる事は要約・翻案に当たる可能性があり、著作者の許可が必要なことなので、 感想・批評を書く際には必要な部分だけの内容を説明するにとどめるようにしましょう。
長々と書いてきましたが上述してきたような細かな部分は、SNS等での個人的な活動においてはせいぜい削除を求められる程度で済むと思いますが、 著作権に厳しい企業や団体もありますので、 アフィリエイトを含む商業目的の場合には特に注意してください。
しかしながら明らかに著作権侵害に当たるような利用をしていても、 一緒にアニメを盛り上げて歓迎してくれる場合もあり、 この場合は問題にはならなかったりするので、 やはり著作者・制作側が歓迎してくれる使い方かどうかという要素は非常に大きいポイントです。
〇 Twitterの埋め込み利用について
少し脱線して、Twitterでの埋め込み利用について考えてみます。
Twitterでは利用規約によって埋め込み利用が許可されています。
参考
Twitter サービス利用規約
そのため、Twitterが許可した方法で埋め込みを行うことは全く問題はありません。
が…、Twitterに著作権侵害して画像を投稿するユーザはとても多く存在しています。
ツイートを埋め込んだだけでは責任に問われることはないと思われますが、 埋め込むTweetが明らかに著作権侵害である場合、そのツイートを埋め込む事を可とするか、不可とするかは難しい問題のように思います。
(現状では特に問題になったケースは見たことがありませんが、グレーなので控えることをお勧めします)
また、Twitterのユーザが、自分のツイートも自由に埋め込みを許可されているという事を知らない事も多いので、 勝手に個人ブログ等で埋め込まれたりする事に対し個人間でトラブルに発展なる可能性もありますのでご注意ください。
〇 まとめ
色々と調べたおかげで大分クリアになりましたので安全な使い方をまとめてみると、
1. アニメの感想・批評で引用に使う分だけをキャプチャ画像として利用する
2. 内容のまとめに関する内容の記載が必要な場合は、感想・批評に必要な部分だけのまとめを記述する事を意識して使うようにするのが良いでしょう。
そして、 できれば作品のイメージアップになるような感想や、著作者、制作者が喜ぶ使い方をするように心がけるとバッチリです。
個人的な判断の部分も多く含んでしまっているので、間違っている所や捕捉などありましたらご指摘頂けると幸いです。
最後に、更新が遅くなってしまいましたがkato19様には貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。
アニメ等のキャラクターを描いたりする二次的著作物についての扱いについてまとめましたので、よろしければこちらもご一読ください。
二次的著作物(二次創作)における著作権等の扱いについて
Youtubeやニコニコ動画の埋め込み利用についての著作権(等)についても調べてみましたので興味がありましたらご参考にしてください。
Youtubeやニコニコ動画の埋め込み利用における著作権等の扱いについて
歌ってみた、演奏してみた動画を投稿する前に気を付けるべき著作権と楽曲利用の方法について
- 2015.01.06
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